SSブログ

『スティーブジョブズⅠ』を読みました

『スティーブ・ジョブズⅠ』を読みました。
Ⅱを先に読んでいたのですが、このたびⅠも読了しました。ジョブズが生まれてすぐに養子に出されるところから始まって、Appleを追い出されてしばらくのところまでを扱った巻です。
少年時代から悪ガキでいたずらを繰り返していたジョブズですが、頭は抜群に良かったようで、小学校での理解ある担任の先生との巡り合いもあり、飛び級をして中学に通います。
そしてハイスクール時代にはすでにテクノロジーギークとしての性質や臆さず行動に移す性質が表に現れ、HP社製のカウンターを手に入れるために、いきなりHP社のCEOに電話をかけてアルバイトとして雇われるという武勇伝もほこります。この時代に、のちにAppleの共同創業者となるもう一人の「スティーブ」ことスティーブ・ウォズニアックとも知り合い、友人になっています。二人のスティーブには、理念を持って哲学のある製品を考える才能を持つジョブズと、プログラミング技能をはじめとして、テクノロジーの高い才能を持つウォズニアックという、分業のような性質の違いがありました。性格も正反対で、理不尽とも思えるほど他人に厳しく無茶な要求をするジョブズに対して、ウォズニアックは争いを嫌う温厚な人間だったとのことです。

スポンサードリンク

ハイスクールを卒業すると、養父母はジョブズに対して大学に行くよう求めますが、息子のためにこつこつ学費を貯めていた両親に対して、ジョブズは無情にも反抗します。条件の良かったスタンフォード大学に対しては「やることの決まっている学生の行くところ。そんなのアートじゃない」と一蹴。結局リード大学というヒッピー的文化の強い小規模大学ならと渋々進学しました。入学式に両親の出席を拒んだジョブズは「放浪者がたまたまやってきた風にしたかった」と当時の心境を語り、両親の気持ちを考えなかったことを後悔していますが、この言葉を見てみると、ジョブズは非常に重い中二病にかかっていたんだなあと思ってしまいますね。大学時代は短くあっという間に中退してしまいます。ジョブズ曰く、「両親が必死の思いで貯めてくれた学費を無意味なことに費やしたくなかった」ということで、親孝行なのか親不幸なのかよくわかりません笑。中退後も大学の授業にもぐって講義を聴いて勉強していたようです。この時代はジョブズの人生の中でもトップレベルにぶっ飛んだエピソードが多く、マリファナ・LSD・禅にはまり、インドまで導師を求めて旅行したり、絶対菜食主義を貫いたりしています。「絶対菜食をすればシャワーに入らなくても体臭もしない」と固く信じ込みほとんどシャワーに入らなかったので、かなりひどい匂いがしていたそうですが、こういう時の思い込みの激しさというのは、日本人の中二病ではまるで歯が立たないレベルですね。 その後ウォズニアックの設計図を基にAppleⅠを発売しApple社の歴史が始まります。さらにリサ、AppleⅡと製品をリリースしていくのですが、ジョブズ持前の烈しい気性やすべてを思い通りにしようとする性質が祟って会社を混乱に陥れ、経営陣と対立し、ついにはAppleを追い出されてしまいました。30歳のジョブズはここからNeXTというコンピューター会社を興したり、映画会社のピクサーに出資して『トイ・ストーリー』に関わったりとAppleから離れて仕事をしていきます。そして以前の記事にもまとめを書いた『スティーブ・ジョブズⅡ』につづく。というわけですね。 全体を通して考えてみて、成功者ジョブズが、必ずしも人間的に成熟していたということはなく、むしろ子供っぽいエピソードが満載だということが印象に残りました。しかしジョブズはただ子供っぽいだけではなく、同時に非常に強烈なカリスマ性があったということで、そのカリスマ性を指して関係者の中では「現実歪曲フィールド」という言葉が作られていたほどです。じっと相手の目を見て話すジョブズを前にすると、不可能であるはずのことが可能であるような気にさせられてつい要求をのみ、結局不可能を可能にしてしまうことが多かったといいます。これは「現実歪曲フィールド」の存在を事前に意識して惑わされないようにしても抗うことができなかったとのことです。なんだか神話じみていますが、これだけ多くの証言をプロの伝記作家が集めた書籍に幾度も登場する「現実歪曲フィールド」。あながちただの言葉の独り歩きとも思えません。ある種の人間には他人を動かす一種異様な魅力が備わっているのかもしれませんね。 参考文献 『Steve Jobs スティーブ・ジョブズⅠ』        ウォルター・アイザックソン著 井口耕二訳 講談社

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。